はじめに・・・

Prague がメジャーデビューして早3 年。ようやくデビュー後初出演となるGARAGE 公演が決定致しました!!!
しかも、今回はシングルのリリース直前イベント!!!
ってことで、色々と昔話を含めた、最新の彼らと話したいと思って、話しちゃいました。
これを見て、11/17 がより楽しめるイベントになってくれたらいいなー。(GARAGE わかばやし)




11 月21 日にシングル『脱走のシーズン』をリリースするPrague が、リリースライヴ&「Prague TokyoCircuit 2012 FINAL」を11 月17 日(土)下北沢GARAGE にて行う。縁ある思い出の場所でのライヴを目前に、GARAGE 店長・若林純氏を迎え、GARAGE との出会いからこの日に込めた想いまでたっぷりお話していただきました。この日のライヴをまた違う角度から楽しむことができる要素満載のインタビューをどうぞ。(interview / text by 藤坂綾)



Prague( プラハ)

関東出身のスリーピースバンド。
同じ高校で三年間同じクラスだったギター/ ボーカ ルの鈴木雄太とドラムス伊東賢佑 の二人が、同じ音楽専門学校に進み2006 年に金野倫仁と出会って結成。
自主制作盤を2 枚出したところでソニー・ミュージックの目にとまり、2009 年9 月9 日シングル「SlowDown」で キューン・レコー ドよりデビュー。
その後、シングル2 枚、そして2010 年7 月には1st アルバム「Perspective」を発表。その卓越した音楽性と演奏力で高い評価を得る。
2011 年5 月に初のミニアルバム「花束」をリリース、7 月には2 度目となるテレビ東京系アニメ「銀魂」エンディングテーマ「バランスドール」をリリース。
10 月26 日には2nd アルバム「明け方のメタファー」をリリースし、初の全国ツアー Prague 1st TOUR「鳴らせ時の鐘」を大成功に収めた。
2012 年8 月から「Prague Tokyo
Circuit 2012」と題し関東のライヴハウスを中心にライヴサーキットを開催。
2012 年11 月21 日5th シングル
「脱走のシーズン」リリース、2013年1 月31 日には渋谷QUATTROにてワンマンライヴ「プラハの春」が決定している。

 
2012 年11 月17 日( 土)
下北沢GARAGE
“5th Single「脱走のシーズン」
RELEASE LIVE & Prague
Tokyo Circuit 2012 FINAL ”

Guest:UNCHAIN

open 18:00 / start 18:30
前売券¥2800 / 当日券¥3300

[ チケット取り扱い]
・GARAGE 店頭
・e+
・ローソンチケット(L コード:
73268)
 
[ インタビュアー]
藤坂綾:
音楽ライター/ BG MAGAZINE
元編集長 / イベント「オトノワ
-otonowa-」主催










■GARAGE との出会いは覚えてますか?

鈴木雄太(Vo/G):結成してからちょうど1 年くらい経った頃かな。最初は渋谷を中心にライヴをやってたんだけど下北沢でライヴやりたいねってメンバーで話してて、GARAGE のことはよく耳にしてたんで、じゃあGARAGE に行こうってことになって……あ、俺が話すとダメかも……記憶が曖昧だ……。

GARAGE 若林:6 年くらい前かな。その頃はまだ俺の前にいたブッキングが担当だったんだよね。たしかその頃インディーレーベルのコンピに参加して、その繋がりでインディーレーベルから紹介してもらってっていう流れだったと思うんだけど。

金野倫仁(Ba):あー、そうだった。最初は若さんじゃなかったんですよね。

鈴木:若さんとはGARAGE でやり始めた年の次の年くらいに会ったのか。

若林:たぶんそれくらいかな。そっからGARAGE で毎月やるようになったんだよね 。

金野:最初会ったとき、熱い人だなって思いましたね。いままでこんなにバンドの話に参加してくる人っていなかった。だからこんな人いるんだ!って(笑)。でも、言われてることがよくわかるんですよ。当時僕らはライヴに人を呼ぶっていう意識がなくて、そんなとき「人を呼ばなくちゃやる意味ないじゃん」って教えてくれたのが若さんなんです。抽象的じゃなくて具体的な話が多いからすごくわかりやすくて。「ここをこうしたらもっといいじゃん」とか、「おまえはこうだからもっとこうすればかっこいいじゃん」とか、そういうことを言ってくれたことを覚えてますね。

若林:ライヴ後のミーティングで、よく3 対1 でしゃべってたんだよね。

金野:カウンターの向こうに若さんがいて、俺ら3 人がこっち。

鈴木:こんなに密な話をする人っていなかったですよ。次どうしたらいいですかね?とか、そういう相談事ができるのは若さんだけだった。同じ目線というかバンドの目線で話してくれてる気はすごくしましたね。

伊東賢佑(Dr):そうだよね。あと若さんは、俺らが好きな曲をライヴで演奏すると必ずそれを見抜くんですよ。若さんが「俺、あの曲好きなんだよね」って言ってくれる曲って、俺らもすごく想いが強い曲で。見抜いてるというか感覚が近いというか、そういうこともオープンに話してくれたことにすごく好感を持てましたね。すごく話しやすかったし。ライブハウスの人っていう感覚が全然なくて、いいアニキって感覚だもん。

若林:その当時、いい曲を見抜いてるっていうのは、単純にやりたいことがはっきりしてたからわかりやすかったんですよ。

■今回シングルのリリースツアーとイベントのファイナルをGARAGE にしたのは?

鈴木:イベントのコンセプトが、仲のいいバンドや縁のあるライヴハウスを巡って行くというものなので、GARAGE 以外でファイナルはないよねって。人もハコも含め、回数とかも全部ひっくるめてGARAGE がいちばん縁があるんで。だから決まったのは早かった。いちばん最初に決まったのかな。最初から目的地を決めてそこまでの道をどう進んでいこうかっていう感じでしたね。

若林:初めてイベントをやってくれたのもGARAGE だよね。

伊東:屋台とか出したよね。

若林:あったあった(笑)。夏祭りね。

鈴木:手ぬぐい配った。バンドで手ぬぐい配ったよね。

若林:配った配った(笑)。2007 年くらいだったっけ?

鈴木:それくらいだったと思います。何回かライヴやってそろそろ自分らのイベントもやりたいねってところからやり始めてね。

伊東:楽しかったなぁ。

鈴木:なつかしいなぁ。俺、いまこうやってしゃべってますけど、その当時あんまりしゃべんなくて無口だったんですよ。もともとそういう性格なんで。若さんとまともにしゃべるようになったのってデビューしてからだもん(笑)。

若林:それはないよ(笑)。でもちゃんと話すようになったのはメンバーの中でいちばん最後だったかもしれないね。寡黙なんだけど、持ってるもの、考えてることがちゃんとあると思ってたんでそれを引き出したくて。
GARAGE ってどインディーのアーティストの集まりだから、やりたいことをまずやれるようにしてあげたくて、何か言いたいことがあっても言えないようなキャラの人はわざとからかったり、そうやってしゃべれるところまでは持っていきたいなって。

鈴木:俺、仲良くなるほどしゃべんないんですよ。

■そんなに言葉はいらないってことですか。

鈴木:うん。

若林:なんか雄太が暗いって話になってきちゃってる(笑)。

鈴木:暗くないです(笑)。寡黙なだけです。




■あらためてGARAGE の魅力ってどんなところです?

伊東:トイレの天井がやたら高い。あそこに入ると別世界だよね。

若林:よく言われる。あと、あの扉を開けてひとつしかトイレがないことに驚かれる。

伊東:セレブなトイレ。ひとつはトイレだな(笑)。あとは、カタチとか音とかそういうところではなくて、若さんがいるし、他のスタッフさんも快く話しかけてくれるし、そういう“人” ですよね。そこがGARAGEの魅力だな。

鈴木:鳴りとかもすごくデッドで、バンドとしてはすごく試されるハコだよね。でもやっぱり人かな。そこがいちばん。あとは弦を買えるっていうのが俺はうれしい。

若林:そんな昔から弦売ってたっけ?

鈴木:売ってた売ってた。俺、毎回買って変えてましたもん。

若林:下北、楽器屋なくなっちゃったからね。

鈴木:そう。だからすっごい魅力ですね。

金野:僕も人っていうのがいちばんかな。ライヴハウスってアットホームなイメージが全然なかったんですよ。
もっと物質的というかマテリアルなイメージ。だけどGARAGE は違うんですよ。また行きたくなるような居心地の良さで、行きたいなと思う場所にライヴハウスがくっついてるみたいな、ライヴハウスというよりその場所自体が好きっていうのが魅力ですね。なんでかわかんないけどすごい安心感があって、俺、いっつもすっごい眠たくなるの、安心しちゃって(笑)。ほわーっとしてきてあったかくなってウトウトするような居心地の良さ。家よりいい(笑)。

伊東:たまに行くと、昔通ってた学校に訪れたみたいな感覚になるんですよ。ずっと通ってたところだから匂いとか全部が懐かしいというか、いい感じなんですよね。

■では、若林さんの魅力は?

伊東:もうアニキって感じ。アニキって言ってもいろいろパターンがあると思うんだけど、親戚一同集まったときにいちばん最初に話しかけるアニキって感じ。

鈴木:若さんって他のバンドのディレクションもやってて、そういう経験があるから言葉ひとつにも信憑性があるし、すごく信頼があるんですよね。それが他の誰よりも強い。すんなり言葉を受け入れられるし、なるほどねって素直に思える。

金野:若さんってすごく変わってると思うんですよ。すごく偉そうなことを言っても全然偉そうに聞こえない。
それはやっぱり説得力があるからだし、キツいことを言っても悪意ではないっていうのがわかるから。僕、昔から先輩後輩の付き合いっていうのがなくて、すぐ友達っていう関係になっちゃうんですよね。だからアニキみたいな人は初めてですごくうれしい。意見もくれるしいろんなことを言ってくれる、そしてそれをちゃんと受け入れることのできる信頼感のある人。若さんはそういう人ですね。

■意見を言われて反抗したり落ち込んだりってことはなかったです?

金野:バンド始めた頃って音楽的にはまだまだだったかもしれないけど、根拠のない自信はすごくあったんですよ。そういうときに言われたことで違うと思ったことはいっぱいあったかもしれない。でも思い返してみると、こういうことを言ってたんだなっていうのがいますごくわかるんです。自分たちがやっとその意見に追いついたというか、気づくことができたんですよ。当時はきっと図星なことを言われてるからイラッとしたんだろうし、そういう複雑な心境もあって「じゃあ、こうやればいいんだろ!」くらいの気持ちでライヴをしたこともある(笑)。そういうのを繰り返して成長していったと思うんで、僕らの成長していく過程がGARAGE にあったんですよ。「もっとちゃんと前向いてライヴしろ」とか、その頃言われてやってきたことが結局いまに繋がってるんだから、信じてやってきてよかったなって思いますね。

鈴木:そういうことって、バンドとしては正直言ってほしくないですよ。だけど若さんだったらいいっていうか聞けるなって感じ。同じくらいの歳で、しかもいろんな経験をしてる人に言葉をもらうっていうことが新鮮だったよね。人間味とキャリアと言葉の信憑性が全部マッチして、信頼できるんだよね。だからほんと変わった人だと思いますよ(笑)。

金野:最初びっくりしましたもん。この人なんでこんなに熱く接してくるんだろうって。すごく不思議で最初は嘘ついてんのかなとか、ライヴハウスの人ってこういうことしなくちゃいけない決まりでもあるのかなとか、そういう目で見てたんだけど、5 〜 6 年経ってもずっとそのまま(笑)。それで、より信じられるようになったんですよね。

若林:バンドをお客さんだと思ってるハコもあると思うけど、俺はGARAGE に入ってきたときから植えつけられたことのひとつとして、バンドはパートナーっていう気持ちが強いんですよ。バンドと手を組んでその日遊びに来てくれたお客さんを楽しませるっていうのがライヴハウスの仕事だし、当時は若かったのもあってわざわざバンドの中に食い入っていこうとしたところもあるんじゃないかな。

伊東:そうそう、お客さんをどう楽しませるかっていうことを教えてくれたのも若さんだよね。それまでは自分が楽しければいいっていうライヴをもろしてたから。

若林:目の前に10 人いようが100 人いようがそこにいるお客さんに対していいライヴをするのはあたりまえじゃないですか。じゃあ、自分たちがステージに立つことを喜んでくれる人たちを集めようっていうところから始まって、こいつらと一緒に何かやっていきたいなって思ったときにようやく一が始まる。一が始まったらそれを10 にするにはどうしようかってことを考えて、10 になるまでGARAGE ではどうやるかっていう提案を出す。それがさっき言ったライヴハウスとパートナーになるっていうことなんですよね。Prague はデビューしてから今回が初めてのGARAGE なんだけど、いままで一緒にやってきたバンドが有名になって大きなキャパのハコにいくのはすごくうれしいことだし、そういうバンドが家みたいだって言ってたまに遊びに来てくれても昨日会ったかのような感覚で話すのは当然だし、俺はたぶんずっとそういう感じですね。





■11 月17 日にかける意気込みを訊かせてください。

金野:考え始めるとキリがなくてきっといいライヴをできなくなると思うので、単純にここに帰って来ましたよ、ここでライヴしてた僕らがいてPrague になって帰ってきましたよっていう、そういう気持ちでライヴができたらいいです。強いて言えば、若さんに昔よりいいライヴを観せられたらいいな。なんか緊張してきちゃった(笑)。ひさしぶりに若さんのいる前でライヴをしてるっていうのを楽しめればいいですね。

鈴木:当時、GARAGE の機材で、ギターもフレットがひどく削れたテレキャスターで、自分らの音楽を100% で再現するっていう状況ではない環境でやってたんですよね。今回は自分らの楽器で自分らの音をGARAGE で出せるっていう、当時できなかったことができるっていう、まずはその変化を楽しみたい。それを若さんにも笑顔で見守ってもらいつつ、終わった後にうまい酒を飲んで感謝を述べられればいいかな。この日に披露する曲の歌詞はそれぞれいろんな意味があるけど、全部“ありがとう” って歌ってるくらいの気持ちでやろうかなと思ってます。“感謝の日” っていう意気込みでやらせていただきます。

伊東:11 月17 日GARAGE のライヴ以降ももちろん僕らはライヴをしていくわけで、その先に向けての大事な1 日になると思うんで感慨深いことは多いんですけど、ライヴ終わってまた怒られたいですね。「おまえらに言うことが何もなくて俺は悔しい!ばかやろう!」って(笑)。それくらいの意気込みです。

■来年はクアトロもひかえてますし、GARAGE がいいモチベーションになるといいですね。

鈴木:サーキットの終着点でもありその先の1 月31 日のクアトロワンマンへの道筋のひとつでもあるので、GARAGE でのモチベーションを1 月31 日のワンマンに持っていけたらいいですね。GARAGE で落ち着くというよりはそのまま走り抜く感じで。あと、長いことGARAGE でライヴをやってなかったんで、17 日に向けて11 月前半辺りで弾き語りをやろうと思ってます。金野がギターを弾いて俺が歌をうたうっていうカタチにしようと思ってるんだけど、実はその体制でやったことがあるのもGARAGE だけなんですよ。

若林:5 月に僕の店長就任イベントに出てもらったときだ。

鈴木:そうそう。そういう意味でも縁があるし、今度はリラックスしてやりたい(笑)。

■と言うのは?

鈴木:5 月のときは、俺らが出るとき若さんはもうけっこう飲んでてね。座ってやりたかったから「座ってやりたい」って言ってるのに、何回言っても「いいから」って若さんはイスを取りあげるんですよ。座りたい言うとるのに何がいいんだって(笑)。なんでこの人座らせてくれねーんだよって思いながら、結局立ってやりました。

金野:あのとき初めて立ってアコギ弾きましたから(笑)。

鈴木:だから11 月は座ってリラックスして快く歌をうたえたらいいなと思います(笑)。



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