INTERVIEW

斉藤浩樹がライフワークとしてデイタイムイベントを敢行する。
“BIG POP KITAZAWA”について。コメントとインタビュー。

「BIG POP」とは。

斉藤浩樹がワンマンライブシリーズ「BIG POP KITAZAWA」を始動する。
あきらかに天賦の才を持っていながら、名もなき歌うたいとして生きてきた男が、やっとその音楽に向けた情熱の発露を、能動的に解放するようである。
今、浩樹はなぜ「BIG POP」という大仰なフレーズを背負うのか?
その理由を語ってもらった。
インタビューの前に、仲間たちが寄せてくれたコメントを紹介する。

写真=関口アナム インタビュー=三宅正一 構成=笠原瑛里

1 2 3

 

僕は浩樹の歌声で涙を堪えまくって大変だった事があります。彼の歌は本当に素晴らしい!!沢山の方に、斉藤浩樹を知っていただきたいです。

河村”BOB”俊秀 (ペトロールズ)


化け物

加藤綾太 (ポニーテールスクライム)


斉藤浩樹が12月13日(日) 下北沢GARAGEで初のワンマンをやるだって?……丸被りじゃないか。こっちは代官山VACANTで今年最後の弾き語りワンマンだっつうの。
いや、まてよ、open 13:00 / start 13:30?……イケるかもしれない。こっちはopen 15:00 / start 16:00だから、ハシゴは無理じゃない筈だ。よし、みんな15:30にGARAGEを出て原宿へ行こう。小田急から千代田線に乗れれば明治神宮前で降りてもいい。VACANTは両駅から徒歩6分。なぁに、楽勝さ。俺が案内するから。

渡會将士


斉藤くんとは、彼がまだ随分若く、僕ももうちょっと若かった頃に知り合った。多分お互い良いタイミングに知り合ったように思う。思えば、当時から背がデカかった。

その頃僕は、“これから面白い曲が書けそうなんだよなあ。歌い手としてもギタリストとしてもまだやってない演奏があるから早くやりたい”、とか考えていた。一方斉藤くんは、“これからまさに自分の畑をガンガン耕してゆきます、何が実るか知らんけど”、って感じだった。麦わら帽子とオーバーオールが似合いそうだった。背もあるし。

こないだライブを見たら、耕すというより街中ズカズカと散策してゆくようだった。”まだまだ足を踏み入れてない場所があるみたいだからオレどんどん行っちゃっていい?”って感じだった。老成していながらまだまだイケイケだった。背がデカかった。僕はそんな彼を見ながら“もうしばらくの間、お互い面白くやれるかもな”、と思ったのでした。

しかし会うたびに背が伸びてる。何食ったらああなるのか。ノッポっていう表現が似合う。あと、なにで知り合ったんだっけ。

Ryo Hamamoto


「ちょうどいい巨人」と紹介された斉藤浩樹は確かにちょうどいい巨人だった。そして最近、彼のうたう歌が好きな理由がわかった。ボクも彼も槇原敬之が大好きだということ。今度マッキーの話しようね。

わたなべだいすけ (D.W.ニコルズ)


斉藤浩樹はあれだなぁ……そう、たぶん……あのぉ、なんだその……と、考えているうちに寝てしまう。心地よいのだな。そういうの斉藤浩樹だよなぁ。

堀田秀顕(あっぱ / トダタダシバンド)


人生の半分をドブに捨てなければ、決して見られない景色がある。
人生の半分をドブに捨てたくはないが、なんとかその景色を見てみたいというなら、斉藤浩樹の歌を聞くべし。

道具小路(小説家)


浩樹さんの音楽を聴くときはいつも、一人の帰り道。
繊細な歌声と、少しだけひねくれた楽曲は、聴くたびに印象が異なり、侘しさや優しさ、そして時折大きな男らしさを感じます。
また、そのどれもが彼自身を見事に映し出す澄んだ水面のようであります。
彼は僕の大好きな音楽家です。

小宮章太郎(TRUMAN)


ひろきの歌声は楽器そのものです。響き渡るラッパの様です。
楽器には言葉はないけれど、音色だけで色々な感情や景色を連れてきてくれます。
彼の歌声を聴くと悲しいや嬉しいがないまぜになった言葉になる前のなにかが胸の裡に生まれます。
きっと彼の歌う沢山の曲が皆さんや僕や彼自身を待っていることでしょう。
そして彼に歌われるのを待っている素晴らしい曲が沢山あることでしょう。
このBIG POP KITAZAWAを通じて彼の歌うべき歌が発見される事を楽しみにしています。
だから、ひろき、照れず茶化さずちゃんと歌を歌ってね、それだけでひろきの歌は伝わるから。

水野創太 (EdBUS / HANDSOME / 水野創太GROUP)


地元の場末感漂うスナックで彼が一曲歌うと
80歳のババアのママは頬を赤らめ、サラリーマンは遠くを見つめ、
金のブレスレットをしたどこぞのオーナーは
「お前さんの歌声に私の趣味の三千万の石をあげたい」と言い、
カラオケ代300円を置いて帰って行った。
斉藤浩樹の歌声がどんな世代も魅了する瞬間を見た。
ほんと一度聴くと心地よく耳に纏わり付く。
寝てると時々彼の歌声がリアルに再生され、
枕元に彼が歌ってるのをぼんやり見たとか見ないとか。

初めてのワンマンを開催する
斉藤浩樹に愛を込めて僕の好きな言葉を送りたい。

“ロウソクの灯りは1本より5本のほうが明るい。”

石黒バハマ(社長&シャインズ)


浩樹くんは、ライブハウスではもう数年来の仲間だったり、お酒を飲みながら話している時はお兄ちゃんだったり。実は大学の先輩だったり。
とても真似できないオリジナルな音楽家だからひっそり羨んだりもしてます。
たまに、畏怖みたいな感情が起こるのは、浩樹くんがBIGでPOPだから?
「BIGPOP KITAZAWA」開催おめでとうございます。必ず観に行きます。
渡邊直也(Blueglue)

新宿LOFTでやってた深夜イベントで出口氏に紹介されたのが1番最初の出会い。そのときはこんな長い付き合いになるとは思わなかったわ。笑
浩樹のアップテンポな歌、聴いてみたいので、そんな日がくるのを楽しみに待っております。
Ryo Sekine(nanilani inc./物販チャレンジ/里見パイン)

ここ数年、プロアマ含めて観たライブの中で純粋に歌の力だけで震え目頭が熱くなったのは斉藤ひろきだけです。
彼が音楽に対して真剣に向き合ってるライブは間違いなく感動できます。しかしそれ以外のことは基本的にウンコです。
今回は初のワンマンライブとのことですから、否が応でも期待が高まります。もし、万が一にも期待を裏切るようなら髪の毛を1万本くらい引き抜いてやろうと思っておりますので。
トダタダシ

と にかく歌が上手い。彼の伸びやかで柔らかい歌声を聴いた人ならみんながそう思うでしょう。年末恒例のGARAGEカラオケ大会で、浩樹が出てきて歌った ら、観ている全員が「反則だろ!」って突っ込んだことがあったくらい、こいつは生来の”歌うたい”なんだなあって感心します。
耳の良さも特筆すべき。聴いたメロディに対して直ぐハモリが付けられるんですよ。いつも羨ましいと感じながら、極上のハモリ聞いてEdBUSのリハしてます。毎回楽しみです。
BIG POP KITAZAWAは浩樹が彼自身を輝かせる曲との出会いに立ち会える絶好の機会です。是非あの歌声を浴びに行ってください。
佐藤一人(あっぱ/EdBUSサポート)

歌うために生まれてきたのではなかろうかこの人は!と、はじめてひろきくんの歌を聞いたときはびっくりしたものです。ひろきくんの歌を聞いて何も感じない 人はいないだろうから(いたとしたらそいつはどうかしている)、このままずんずん突き進んでいって欲しいな!そう思います。あなたの歌を待ってる人はいっ ぱいいるはずだよ。その人たちのこころの隙間、埋めたおしてってください。とにかく、初ワンマンたのしんで!また一緒に歌おうじぇ。
宮本菜津子(MASS OF THE FERMENTING DREGS/地獄)

呼吸みたいな歌だなあ、どころではない、呼吸がそのまま歌になってしまう人には、そうそう出会えないです。
矢島大地(MUSICA)

13日のお昼にワンマンをやるからコメントをくれないかって頼まれたんだけど、
俺のやってるバンド「ザ・チャレンジ」も、まったく同じ時間にワンマンをやるんだ。
知ってて頼んでいるのか、知らないで頼んでいるのか分からないけど、
彼のそういうイノセントなところが、きっと魅力なんだと思う。
当日、俺は行けないし、みんなに「GARAGEに行こうぜ!」とも言えないけど、
おたがい、いいワンマンにしようぜ!
沢田チャレンジ(ザ・チャレンジ)

ひろきの声って、何を 歌ってもひろきの歌になるように思います。本当に羨ましい。上手いだけじゃなくて、すごい。すごいだけじゃなくて、上手い。ひろきにしか使えない魔法を 持ってる。以前飲んだとき、いろんな努力や研究をしたって言ってた…よね?勝手に天才だと思ってたからびっくりしました。ただ酔って内容はまるで覚えてな いからまた聞かせてね(笑)。そんな男がBIGPOP KITAZAWAを通じて、更にすごいことになっていくのかと思うと、やになっちゃうよ。おそろしや。開催おめでとう!1回目は僕もライブで行けないけ ど、大成功を祈ってます!
小野雄一郎(butterfly inthe stomach/ザ・チャレンジ)

ひろきさんの声は昼下がりのカーテンのすき間から差し込むお日さまみたいです。やさしくて、悲しく乾いていて、あたたかくて心地良くて、そんな 柔らかい眩しさに聴くたびに目を細めます。ひろきさんの声を沢山の曲たちが待っていると思います。「牡丹の花」を聴きながら、そんな風に感じています。
田中茉裕

下北GARAGEという肥沃な大地に育まれしBIG POP、それが斉藤浩樹だ
仰木亮彦(在日ファンク)

浩樹くんとはだいたい大勢の時に顔を合わせるけど、買い出しとか夜中1時に私がラーメン食べたくなった時とかに付き合ってくれて、そんな2人っきりになったタイミングでお互いの家族の話をポロポロこぼれるみたいにすることがある。「ああなんか、この人とは根っこの部分が近いかもしれないぞ」って感じたりして。牡丹の花、また聴きに行きたいなぁ。時々だけどさ、あの女の人が羨ましいって思うことがあるよ。いつもあんな風に丁寧に歌ってもらって女冥利に尽きるって言うのかな時々だけどね。
奥浜レイラ

ひろきへ遅くなってすまん。勇成です。
近頃は以前ほど会わなくなったけど、相変わらずかね。
俺らみたいなのは相変わらずじゃいかんというのもあるんだが。
やっぱ市原隼人ばりのね、向上心だよね。いやわからん。
とにかくは、初ワンマンおめでとう。
正直悔しいっす。
でも昔からそうだったなあ。
なんかひろきは、俺のこともすごくわかってる感じがするし、
俺もひろきのことは、なんかわかってるようなそんなような自惚れた感じがしてる。
日本語、すまん。
だからこそひろきは、嫉妬深い俺のその最大の対象であり、
そして今回もまた、俺は苦しめられているんだぜ。このやろう。皆さん、このコメント(?)の上下にずらりと並んでいる、
心の込もった言葉たちをご覧ください。(俺のこれは一体何なんだ。)
これこそが、俺を苦しめるその元凶なのです。
そして、違う意味で泣きそうなのです。こんな素晴らしい人たちが、お前のところに集まってくる。
このことは、斉藤浩樹の音楽のとても重要な部分を担ってる気がする。
同じ音楽家として、一番羨むところなんだとも思ってる。
これは勝手な想像だけど、今のひろきの音楽は、
繋がりと孤独がうまく共存したものになってるんじゃないかな。
どんなものが観れるかマジで楽しみだ。なんかひろきって、
大事な時に鼻ずびずびしてること多い気がするから気をつけてな。
ほんじゃ。
高橋勇成(paionia)

ひろきは
知り合って、いいやつだと思った。
その後にひろきのライブを見て、「いいミュージックだね」と思う前に、「やっぱいいやつだわ」と思った。
そんな人、なにをしてても、みてて気持ちいいでしょう

ウィスット・ポンニミット


「BIGPOP KITAZAWAvol1」開催おめでとうございます。
斉藤浩樹ってのは本当に気持ち良さそうに歌を歌うんですよね、それでこっちも「歌」って良いものだなあって思うわけです。なかなかいないですよね、あんなに気持ち良さそうに歌う人。
羨ましいですね。

長岡亮介 (ペトロールズ)

11

目的の地点を据見据えて、そこに追いつく形で動くことをどうにか年内にやりたかった

――まずなんで浩樹がこのタイミングでワンマンをやろうと思ったかっていう理由から聞きたいんですけど。

 

斉藤浩樹:このタイミングっていうのは、年内には覚悟をなんとか打ち出して年を終えたかったっていうのがあって。もちろん正一を含めガレージのみんなの意見を聞いたっていうのもあるんだけど。

 

――そんなこと言ったっけ?

 

浩樹:言った、言った()。すっきり終わるなって。自分でも年内にやらなかったら先延ばしになっちゃうって思ったし。やっぱ小出さん(Base Ball Bear 小出祐介)とかガレージの人もそうだけど、出口さん(ENNDISC 出口和宏)がここでペトロールズのアルバムのミックスとかしてるのも、限られた時間の中で最大限のものを作るじゃないけど、正一のイベントもそうじゃん。

 

――まぁ、俺のイベントは音楽制作とはまた違うけどね。

 

浩樹:でもクリエイティビティっていうのはそうなんだなっていうのを今年通して感じたことで。自分の中にはなかったから、そういう考え方が。プロ意識だよね。目的の地点を据見据えて、そこに追いつく形で動くことをどうにか年内にやりたかった。

 

――2015年は刺激があった?

 

浩樹:そうだね。今まではあんまり外の世界を見てこなかったんだなぁって思って。なめくさってた、周りで音楽やってる同世代の人のことを。で、やっぱりヨギー(Yogee New Waves)とかサナバ(SANABAGUN.)とかここでよくやってる人たちを見て……打ちのめされるよね。

 

――それは音楽的にっていうよりもスタンスとかマインド的な部分っていうところで?

 

浩樹:うん。いいものを作ってるっていうのは当たり前なんだけど、マラソンを続けながらずっといいものを作ってる感じがあの人たちにはあって。毎回自分たちでイベントを打っていても、なんか芯でつながってる気がするのね。それを同世代で感じ始めたのが2015年で、2014年くらいまではたとえば周りの人がイベント打ってても、それが点にしか見えなくて。線を持って活動してる同い年くらいの子がボンボン出てきたような年が、今年。世代は上だけど、みずそう(水野創太)もそうだね。2015年、改めてEdBUSで水野創太と一緒にやっててもわかるんだけど、線で活動しようとしてる。ここにこういう点があるからそれに向けて頑張るんじゃなくて、もっとおっきい何かが見えてて、その道中の音楽でありイベントっていうか、そういうことを意識した1年だった。

 

――なるほど、線ね。

 

浩樹:だから今はサイクルとして自分を動かしてみたいなって思ってる。さっきも言ったけど、素敵だなって思うアーティストはみんな自分とは違う意識で作ってる気がする。最近自分が曲書くときにテーマにしてるのが、何年先かはわからないけど、遠い未来の誰かに向けてラブレターを書くっていうことで。今回から始めるワンマンイベントは、そこに通じるところがあるんじゃないかなって気がしてて。

1 2 3
 イベント情報