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リベラル a.k.a. 岩間俊樹 インタビュー 「I.MY.ME.MINE」

リベラル a.k.a. 岩間俊樹 インタビュー

これは昨年12月10日(土)に行われたイベント、「GARAGE×Q2 presents “I.MY.ME”MINE」で行われたインタビュー。ラッパーであるリベラルの1stソロアルバム、「I.MY.ME」の全てに踏み込み、迫った1時間。「これが響かない日本は、どうかしちゃってる」という自負や想いを、製作中のエピソードを交えて赤裸々に語ってもらった。また記事の最後では、新曲「I.MY.ME.MINE」が限定公開!

インタビュー = 三宅正一(Q2) / テキスト = 河原嶺 

――本当に素晴らしい1stソロフルアルバムをなったと思う。手応えはどう?

リベラル:いいアルバムになりました。

――まずでかいのがバンドで作ったっていう。色々な方法論あるじゃないですか。ビート貰ってラップするっていう、オーソドックスなヒップホップの方法論があるけど、今回はバンドでこの生感を押し出してやったのがすごく勝因として大きいと思う。そのあたりはどういうふうに決まっていったの?

リベラル:当初はトラックと生音が半々くらいでいいやと思ってて。でも、今のUSのシーンでいうと、Chance The Rapper とかケンドリックとかグラミー賞とかとってたし、今年もノミネートしてますよね。そういう生音が主体でやってる音楽が向こうで流行ってて。 ムーヴメントだけじゃなくて、昔からJAY-Zとかもやってたりとか。そういった面で、何で日本人で作るやつがいないんだろうっていうのがきっかけで。これはアルバムの根底になっちゃうんですけど、 僕にしかできないアルバムの作り方をすごく考えてて。サナバ(SANABAGUN.)のドラムの一平にお願いして、「自分にしか集められない、最高で、同世代の若いミュージシャンで、アルバムを作りたい」って言ってみんなブッキングしてもらうって感じで。3年後にはUSの流れが戻ってくるから先駆けて俺にしか今できないから作っちゃおうぜみたいな。

――逆にリスクのことも考えると、バンド編成で作るってことは、サナバとの差別化を考えなきゃいけないところもあったんじゃない?そのあたりってどう考えてた?

リベラル:サナバはバンドって感じなんで、全体のバンド感とかグルーヴ感を重要視しているんですけど。今回のアルバムは、元々の素材は生音なんだけど、録りの段階からドライに録って、トラックっぽく仕立てるっていうのをやりたくて。「ゆとり」って曲とかは、「せーの!」で演奏はするんですけど、他の人の音は聞かないで、クリックだけ聞いて自分の演奏を淡々とやって。バンドのノリがでるというよりは、無機質な感じに仕立てるという。

――そうですね。非常に気持ちいい隙間のあるサウンドが多いなっていうのが印象的で。めっちゃいいよね!ほんとに!オケ(笑)!メンバーの素晴らしさですかね?

リベラル:メンバーの素晴らしさですね!言うのもあれだけど、サナバより楽器上手い人集めようと思って集まったメンツ、ですよね?

――え、誰に聞いてんの?(笑)

リベラル:そこのサナバの二人に。(フロアにいたSANABAGUN.メンバーの谷本大河と澤村一平)

――大河上がってくれば?(谷本登場)ホント仲良いよね?付き合ってる疑惑とかすごいじゃん界隈じゃ。

会場笑

――オケのディレクションも俊樹がイニシアチブ握ってやってたの?

リベラル:サナバではあまりしないですけど、今回はああでもないこうでもないを言わせてもらって。

谷本:岩間くんは音楽的知識がないんで、それが逆にいい感じに転がって。風景でモノを言うというか、楽曲作るときも演奏してどうかなあと聞いたら、「違うんだよね、もっとこうさぁ、SKYな感じが欲しいわけよ俺は!」って(笑)。

――すごいね(笑)

谷本:矢沢永吉みたいな。

――「岩間はいいけど、リベラルはなんて言うかな!」みたいなね。

一同笑

谷本:楽器はすごい上手い奴らが集まったんですけど、こういうディレクションする人は初めてだったと思うんで、どうしよっかって感じで(笑)。

リベラル:俺もホント不安だらけで。言ったことが伝わらないんすよ。

谷本:いや、伝わらないですそれは(笑)。でも回を重ねていくごとに、ちょっと良くなったねみたいな感じで。メンバーも岩間くんの言いたいことをつかんできて、作れたかなと。

――期間がタイトでしたよね?

リベラル:楽器隊とはじめましてが(2016年)6月。RECが9月にやるっていう話で。15曲入ってるんですけど週一のペースの3ヶ月で。

――どんどん盛り上がっていった感じだよね。ホントやっぱりオケ洒落てるよね!

谷本:洒落てますねー。最初は先輩方もフィーチャリングで呼んで、渋いトラックもやりたいよねって話もあったんですけど、俺ら世代は聞いてる音楽が新しくなったりとかで共通してナウかったので。それでいい感じに仕上がった。

――同時代的サウンドですよね。

リベラル:あとひとつあるのが、今までトラックを貰ってチョイスしてくださいと言われると、結構シリアスなトラックを選んじゃうクセがあるんです。

谷本:ホントに暗いんですよ。誰がこれ聞いて楽しいの?みたいな(笑)。

――抜きがないというかね!

リベラル:だからサウンド的には「全部ポジティブにしよう」と。  そこにどんなリリックが乗ってもいいから。暗い曲だと心まで暗くなっちゃうから。今回は色んな人に自分の頭の中で考えていることをどうしても理解してもらいたいと思って。どうやったら理解してもらえるかを自分なりに考えた結果、このアルバムができた。

――例えば、二曲目の「ゆとり」。こんだけフルート乗っかってたり、すごく引いた隙間のあるサウンド、でも洗練されてる。なのにトラックの上に「教育されない教育理論」とか。入ってくるよねこっちのほうが断然!コントラストを含め。その妙は絶妙だよね。だから結果的によかったってことだよね。

リベラル:化学反応と言うか、作るべくして作られたアルバムというか。

――今まで歌ってきた曲が何曲か入ってるじゃない?

リベラル:「ゆとり」、「夢の最中」。でも意外と新曲ですね。ただサナバを昔から聞いてる人は分かるかもしれないけど、「シンパ」。実は「Fallin’」って言うサナバの楽曲だったんですよ。

――あー!実は。

谷本:音源化されてないんですよ。

リベラル:思い出深いリリックだったので、サナバのメンバーに「入れていい?」って聞いて。

――俊樹のラッパー像みたいなのは、今の時代に改めて稀有だなって。“無骨で”というか、“愚直な”というか、硬派なラッパーじゃないですか。“フンドシスタイル”っていうか(笑)。“赤フンラップ”っていうか(笑)。

(会場爆笑)

リベラル:赤フンMC(笑)。

――いないよね!すごく貴重な存在だなと思って。

――このアルバムのトピックとかも含めて、何を歌うかはどういう風に考えてました?

リベラル:製作期間が三ヶ月だったので、短期間で作る場合、今これにムカついてるんだよねとかあるじゃないですか。

そういうことをパーってジップロックした感じ。

――瞬間的な。

リベラル:年の始めから俺がイライラしてたことを書くっていう。

――一番イライラしてる曲はどれかね?

リベラル:何だろう、「Blow Time Away」とか。

――実はね!

リベラル:これホントにリリック尖ってますよ。

――これオケがめっちゃオシャレだからさ。俊樹がなかなか出てこなくてウケるんだけどね!違う人のみたいな(笑)

リベラル:最初一分半くらい僕がでてこないんですよ(笑)。聞いている人は最初に歌ってるShuns’ke Gさんが俺だって思っちゃうくらいの。

――Shuns’ke Gさんかっこいいっすね。どこで出会った人なんですか?

リベラル:ライブハウスで知り合って、自己紹介はしたけど繋がったりはしてなかったんですよ。後でたまたまYoutubeで流れてきた時にいいなって。それでブッキングを決める時ライブを実際見にいって直接お願いしました。

――Shuns’ke Gさん含め、客演陣を呼ぶ上で意識したことってどういうところ?

リベラル:僕の音楽の根底のスタイルなんですけど、単純に人が音楽ににじみ出ている人。だから自分んとスタイルが合う人ってことになってくるんですけど。Shuns’ke Gさんはすげえそれが出ている人で最高です。

――次に、「ネジ」とかさ、要は家に落ちてる謎のネジについて歌ってるんでしょこれ?

リベラル:みんな掃除とかしてて、棚どかしたら「何このネジ?」みたいなのないっすか!?「どっから落ちてきたの?」みたいな。

――あるね(笑)。

リベラル:これ僕だけじゃないですよね?「とっとこうかな!」「どうしよう!?」みたいな。結局捨てちゃうんだけど、後から分かる「ここかよ!」みたいな。そのネジの話っす。

――そういうユーモアとかのトピックってすごい大事で。とにかく、俊樹はシリアスに成りがちだと思うけど、こういうトピックあるのはすごいいいですよね。抜けになるというか。そういうバランスも意識したんじゃないかなと。

リベラル:意識したんですけど、こういうトピックを使うようになったのってサナバを始めてからで。フルアルバムにしたかったんで、自分の持ってる武器部分を全部出したかった。バラエティというか、とっつきやすいアルバムにしたかったっていう。

――すごく洗練されたポップだよね!「ネジ」のヘビーロックみたいなリフとか、これってどうしてんの?

リベラル:これに俺が言った風景は、「JAY-Zが下からスモークとボワッー!って出てきて影だけ見えてくるのイメージして!」です(笑)。

――そんな注文の仕方ある?(笑)でも逆にそれが功を奏したのかもね。

谷本:楽器陣はすげー考えましたよ。

――大河はフルートも吹いてるじゃないですか。すごい効いてるよね。フルート。

谷本:今回、萩原優くん (Sax,Flute)ってやつもいて二人で吹いてるんですけど、フルートの音って優しかったり耳馴染みが良いというか。それもまたPOPな要素の一つというか。サックスだけだと強すぎちゃう時もあるんで、それはいいバランスできたのかなあと思って。

――「参上~intro~」から、ディストーションかかったようなフルートの音色とかすげえ絶妙だなあと。

谷本:この曲が唯一リハの前に元曲が合ったやつ?

リベラル:そう。ちょっと前までやってた「岩間俊樹リッチ」で完成してたやつ。

谷本:これこそJAY-Zっぽいよね。

――あと、俺好きなの「遠距離」。これはすごい王道なヒップホップっていうか。

リベラル:トラックでちゃんとはいってるのが最後の曲のリミックスと、この「遠距離」。これは生音じゃないんですよ。

――オールドスクールな感じっていうか。こういうのも大事にしたかった?

リベラル:もっと割合的には入れる予定だったんですけど、たまたま入らなかった。

――あと、やっぱりすごいロマンチストだなって(笑)。リリックみてると。

谷本:「遠距離」とかホント見てほしいんですけど、「お前誰だよ!?」ってなる(笑)。

――聴いてる側が照れるくらい。

リベラル:この曲は遠距離恋愛のことを歌ってるには歌ってるんですけど、メッセージ性の部分で言うと、現代ってSNSでつながってる気になってるじゃないですか?Facebookでいいね押して、あの人からいいねきたとか。それも大事なんだけど、もっと大事なものって、恋人、友達との距離感とかで。このイベントだってSkypeでやったりユーストで見てればいいのに、それでもみんな来てくれて。会う大切さ、直接現場にいる大切さだったりとか、ちゃんと手を握って会うみたいな感じのことが重要じゃん!現代!

谷本:それを「遠距離恋愛」で表現するって素晴らしいです!

(会場拍手)

リベラル:ありがとうございます。あのね!”意外と”ちゃんとつくりこん…意外とって自分で言っちゃう…

(会場爆笑)

リベラル:普段こんな感じにだから「アホなのかな~」とか思ってるかもしんないけど、意外と考えてやってるからよ。チェックしてくれ!

――ホントだよ。それはリリック読んでても思うよ。ちゃんと練って構成してるなって。

リベラル:嬉しい。

――それこそ「go on」とかはポエトリーに近いようなこういうアプローチも良かった。やっぱり俊樹はリリシストだって。

リベラル:そうっすね。拍でいうと何ていうの?(フロアにいる)一平ちゃん!

沢村:「go onってどの曲!?」

(会場爆笑)

――ホント彼はいいドラマーだよね!

リベラル:ちょっと来て!SANABAGUN.と僕のソロのドラムやってる沢村一平です!12曲目の「go on」って曲のビートについて。

沢村:あの曲は「ハチロク」っていう拍で。曲は普通「四拍子」で聞き馴染みがあるんですけど。これは「ヨン」がなくてすぐ「イチ」に行っちゃう感じが「あぁ」ってなるけど、逆に「オイシイ」みたいな感じなんです(笑)!

(会場笑)

谷本:それがラップしづらいみたいなことなのかな。

沢村:ラップしづらいのはリベラルが四拍子の曲に慣れすぎちゃってて。これからリベラルが頑張っていかなきゃいけない課題なんだと思うんですけど!

リベラル:なんで俺のマイナスイメージを放送するんだよ、お前!ラップは四拍子でやることが多いからポエトリーっぽくなっちゃったっていう。

谷本:こういうアプローチしたことないじゃん!今回はたぶん 多分「スキル問題」もあると思いますよ(笑)!これにはめられない問題も有りつつ、でもこのはまってなくも自分の熱いことを言うところが新しく新鮮に聴けたっすね。別に悪いってわけじゃないよ。ただスキルの問題はあるよ!(笑)!

(会場笑)

リベラル:iTunesに今回のアルバムのレビューが1件だけ書かれてて、「おっ」と思って見てみたら、「韻シストの出来損ない。ラップのスキルがなさすぎ」ってそれだけ書かれてて、、

全員:えーやば!

リベラル:だからみんなレビュー書いてくださいよ。韻シストとは僕らも共演してて、リスペクトする先輩なんですけど、生音のヒップホップって聞いた瞬間に韻シストしか引き合いに出せないやつは音楽を知らないっていう話でね。そこは良きとして、俺よりラップ上手い人なんて沢山いるんですよ。今のヒップホップシーンにいる人達のほうが全然上手いし、フリースタイルダンジョンの若手の方が上手いんだけど、“ラップが上手い”=“良いヒップホップ”かっていうのは別の話で。そこをもっと重要視してほしい。

――伝わるしね。俊樹のラップって。技巧を超えたところの熱とか、人間臭さを感じさせるのが俊樹のラップだし。

リベラル:だんだん俺がラップ下手みたいな流れになってるんですけど(笑)。

谷本:酔ったときにいつも「俺言っとくけど、ラップ下手くそじゃないから」っていうのと「俺言っとくけど、そんな顔悪くないから」って言ってくるんすよ笑

――「夢の最中」についても。

リベラル:「夢の最中」って今回のリード曲で。PVも上がってるんですけど、実は21歳のときに書いたリリックで、このアルバムのために書いたんじゃないんです。

――まじで!ほ~!

リベラル:当時めっちゃ棘あったんで。

――途上って感じだもんね。

リベラル:だから「食えてない」とかのフレーズが入ってて。ソロの流通盤を出す時に入れようって温めてたリリックで、今の自分にクソ刺さるんですよ。五年前考えたことが、今の自分をボコボコに殴ってくる。今回のアルバムに入れるべくして書いたリリックなのかなと。

――いいね、21歳かぁ。これ、トークボックスみたいな音だけどそうじゃないんだよね。

リベラル:キーボードの音色なんですよ。

――これかっこいいなって。

リベラル:中々使う人いないね。

谷本:これ初めて聴いた。使ってる人見たことないし。

リベラル:これセッションで作ったんですよ。残りスタジオ10分しか使えねえって時に弾き始めたやつで、リリック乗っけたら一番みんながぶち上がっちゃって。「うわ、これやべえ!」この曲絶対クラシックになるよって。

――「Last Night」も構成が面白かったり。まどろむ感じというか、ギターのシタールっぽさとか。独特な曲だよね。

リベラル:歌詞も乗っけてないんですけど、思い浮かべる風景を大事にしたら、こういう作り方になって。USのラッパーばっかり出すのもアレですけど、例えば自分が最後のアウトロにしか出てこないって曲とかあるじゃないですか。なんでこの構成にしたんだよみたいな曲。「何で!?」みたいな。俺もちょっと「何で!?」って思われたかった(笑)。トリッキーな人間って思われたかったんでしょうね(笑)。

――昨日トライブ(A Tribe Called Quest)のラストアルバムを聴いた後にこれ聴いたらめっちゃフィットしたんだよね。「I.MY.ME」とトライブのアルバムは親和性があるなと思って。

リベラル:光栄な話です。

――これはちゃんと語っておかないとなんだけど、“スポンサーを募って作品の中で企業の宣伝をラップをする”。このアイデアはどういう風に?

リベラル:このアイデアは全部自分で考えて。順を追って話すと僕、社長になりたいんですよ。

――へえ。どうぞ!

リベラル:どうぞって(笑)!将来的なビジョンは自分がオーナーの飲み屋に綺麗なお姉さん連れて行って、バイトの子に「おい、頑張ってるか。これでデート行ってこい。」って2万くらい渡すこと。

谷本:頭悪そうでしょー。

リベラル:それをどうしてもやりたいんすよ。作品からも分かる通り、酒がすごい好きで、酒の味も料理の味も知ってるから居酒屋やりたいよねって。要はビジネスに興味があるんですよ。“自分がアーティストとして前に立つビジネス”みたいなのを。それをふまえ“自分が看板になってやりたいことをやる”にはどうしたら良いだろう。単純に言うと“自分のやりたいことがラップだけじゃない”っていう。

――っていう。ほう。

リベラル:ラップを介すんだけど、やりたいビジョンの第一歩として、「良いアーティストが作品を出す時に苦労しない方法」を考えてたんです。参加してくれたNao Kawamuraとか一歩違えば国民的なシンガーになってもおかしくないし。そういうアーティストが周りに沢山いるのに、流通盤すらまともに出せてない世の中が嫌だなと。

――うん。

リベラル:サナバでビクターにいて、メジャーのシーンとかを見てきたんで、「自分らがセルフで出来る面白いこと沢山あるんじゃないの?」って。大人に敷かれたレールとかが会社なんで色々あるんですよ。音楽をディレクションされることはあまり無いけど媒体にはこう載っけて見たいなパターンがあるじゃないですか。

谷本:パターンはあるよね。

リベラル:それはつまらないし、売れなくて契約が切れちゃったら終わりってのも面白くないし。アーティストが盤を出したいとき、お金に苦労しないで出来る方法を考えて、今作の8曲眼に収録されている「Shout Out 4 My Sponsors(ハイ・渓濱商事・アンプラザ)」ていうのがモデル段階としてやってみたかったっていう。

――でも、それをやるためには曲としてカッコよくないと意味ないじゃん?

リベラル:そうですね。

――オケもラップもちゃんと“クールであれ”というのをやってて感心しました。下手すると、やけどしそうな案件じゃない?

リベラル:サブくなったり、ビジネス的になっちゃったり。それが本当に嫌で。じゃあどうしたら自分の実が入ってるリリックになるかって考えたときに、自分で営業行く会社も決めたし、自分で頭下げたし。OKをくれた会社には、「迷惑にならない程度で業務もやらせてください」と。運送業の場合は運送をやったし、不動産の場合は内見いったし、企画会社の場合は、会社に顔出して雰囲気見たりとかを調べて、やる。

――やる。

リベラル:「自分にしか作れないアルバム」がコンセプトで。楽曲の面だと、生音主体のいいアーティストを集めれるのは自分のコネクションしかないし、製作以前の問題なら、どうしたら自分らしいアルバムになるか。料理でいうと「器」の部分から作りたいと。例えば、他のアーティストが同じことやって、カッコよく映るか映らないか、と考えてみたときに、企業に自分で頭下げにいって営業に行ったっていうのがかっこよく映るラッパーは俺だけだと思います。

谷本:それはありますね。

――それは俊樹の“無骨さ”というか“愚直さ”みたいなところとつながってるというか、それが俊樹のマンパワーであるし、ラッパーとしての実像がそうさせているのは素晴らしいね。企業に頭下げてカッコいいっていうのまじアツい。なかなかいないもんね。

リベラル:Jay-Zとかも全然関係ないビジネスもやってたり。でも代表は「Jay-Z」って公表してて。単純に「JAPANESE JAY-Z」って呼ばれたいんです。俺は。

――へえー(笑)。

リベラル:何でですか(笑)。制作段階でこういうことやりたいってこの二人にスグ話をしたんですよ!もう媒体に載っけるコピーまで決めた!って。「俺、JAPANESE JAY-Zになりたいんすよ。無名ながらスポンサー4社」っていうの頭の中に見えたから。ただ、この叩きの媒体は一個も出て来なかったっていう(笑)。

(会場爆笑)

リベラル:そもそもまだインタビューがこれで2個(笑)。

――じゃあそろそろライブに。

リベラル:嫌ですよ、もっと話しましょうよ!

――だってみんなも歌聴きたいじゃん!

リベラル:歌は帰ってから聞けるから(笑)。

――ふざけんなよ(笑)!

(会場爆笑)

リベラル:楽しくなってきちゃった。

――なんか言い残したことある?

リベラル:今回メジャーじゃなくてプロモーションが派手じゃなかったですけど、今後絶対に後聴きで、じわじわこの音源やべえぞってなってくるんですよ。みんなも媒体メディアとして、賛同、協力もして欲しい。俺だけの力じゃ難しいんで。一緒に楽しくワイワイやってきましょうよ。

――自分でも相当な傑作を作ったという自負もあると思うしね。

リベラル:正直一言でいうんだったら、このアルバムが売れない日本と、俺のリリックが響かない日本は、マジでクズだなって言うくらいのアルバムをマジでホントに作った。みんなどうかしちゃってるぜっていう話。

――数年後も十年後もきけるような、いわゆるクラシックオーラみたいなのもあるし。

リベラル:五年後十年後に、トラックが古くならないサウンドっていうのはクラシックになりやすいし、もちろんそれを意識してたし。曲を聞いたときに、各々の記憶の中のイメージに風景が湧くサウンドにしようと作ったから、絶対人のクラシックになる。

――だよね。瞬間風速的なセールスとかじゃなくてさ。今後じわじわと売れつづけて、届き続けていって欲しいなっていうアルバム。ヒップホップは流行ってないけど、ラップは流行ってるじゃない?でもこれはヒップホップだよ。他の誰にも似てないし。どこにもないアルバムになったと思うんで。堂々とこれからも持ち続けて。新作もまた作ると思うけど、サナバも含めて、自分のこと誇って欲しい。

リベラル:今日集まってくれたお客さんは、気に入って聴いてくれている方たちだと思うんで。

――きっと、ずっと応援してくれるこのアルバムの価値を分かってくれている方たちじゃない?最初に現場に来てくれるって人が一番最高だよね。カッコいいと思うし。

リベラル:みなさんがカッコいい。「社会のこんなとこ嫌だな」って気づいてる人達が来てくれてると思うから。俺はそれを表に発信する代弁者でありたくて、そういうことを今後もやっていきたいし。前を向いた人達とか、最初から気づいてくれてる人達が来てくれたって。分かってくれてるって。自分が前にいるみたいですけど、そうじゃなくて、一緒に社会でこうしてやろうぜっていう信念、野心を持ってる同士みたいな。本当に宜しくお願いします。


4月12日横浜THUMBS UPにて、I.MY.ME Release Party 人間劇場 vol.0 が開催!

4月12日に開催する人間劇場〜Vol.0〜は昨年初めてリリースしたソロアルバム”I.MY.ME”のリリースパーティーでもあります。この規模での主催イベントは初の試みでVol.0の「0」はこれがまた新たなスタートになっていくようにと思いを込めて表記しました。ライブに関してはアルバムに参加してくれた演奏者がこの日限りのスペシャルバンドとして音源を飛び出して言葉を最高に輝かせてくるれる劇場になると思います。皆んな待ってます。

岩間俊樹

2017年4月12日(水) Yokohama THUMBS UP
リベラル/I.MY.ME Release Party “人間劇場 Vol.0″

Open 19:00 / Start 20:00
前売¥3000 / 当日¥3500

出演者
リベラル a.k.a 岩間俊樹

Special BAND
隈垣元佐 (Gt) / 沢村一平 (Dr) / 谷本大河 (Sax) / 山本連 (Ba) / 永吉俊雄 (Key) / 萩原優 (Sax,Flute)

Guest
Nao Kawamura / Shuns’ke G / NEEKAE and more…

チケット予約は、
1.氏名
2.枚数
3.電話番号

を明記の上こちらにメールをお送りください。( mc.liberal.info@gmail.com )


I.MY.MEからI.MY.ME.MINE へ | 人間劇場 vol.0からvol.1に向けて 新曲公開!

I.MY.ME.MINEはアルバムを作り上げたうえで改めて自分がラッパーとして置かれてる現状を再確認した事により出来た曲。人間劇場はVol.0があるということはVol.1ももちろんある。それを今回インタビューを上げてくれた下北沢GARAGEでやりたいなって…だから全てがストーリーとして続くようにここでこの楽曲を発表させて貰いました。

岩間俊樹

 RELEASE INFO.

I.MY.ME

2016年12月2日

PCD-24573 2,400円+税


track list

1.参上 ~intro~ feet. Nao Kawamura
2.ゆとり
3.ネジ
4.Blow Time Away feet. Shuns’ke G
5.遠距離
6.Sake
7.ここまで
8.Shout Out 4 My Sponsors (ハイ、渓濱商事、アンプラザ)
9.夢の最中
10.Last night
11.Tamanegi feet. iri
12.go on feet. MEEKAE
13.シンパ feet. Nao Kawamura
14.I.MY.ME ~outro~
15.夢の最中 (Crane 11 Remix)


review

SUMMER SONIC、Green Room Festival、Sunset Live等今夏フェスに多く出演し、ライブバンドとして着実に動員数を集めているSANABAGUN.のフロントマン、岩間俊樹によるソロアルバム『I.MY.ME』を12月2日にリリースする。SANABAGUN.結成以前よりソロでも活動を行っていた岩間俊樹の別名義「リベラル」による、日常と夢を時にシリアスに、時にユーモアたっぷりに綴った、彼の男気ある、憎めないキャラクターが前面に表れた、さながら人間劇場とでもいうべき作品。

 イベント情報